飲食店含めパン屋で働く人たちほとんどが、一ものづくりの職人と略されるものであり、細かな経営の実務は知らないまま日々の業務を淡々とこなすのが、ほとんどであります。
特にパン屋は朝早く業務的には辛い仕事でありますが、外食産業(特に酒類飲食店)などは飲酒規制の強化にて売上ダメージを受け、牛肉、鶏肉など衛生問題などでダメージを受ける飲食店など、他社も生きにくい環境からするとパン屋ビジネスは安定した経営を望めるものであります。
しかし、何のためにパンを作るか?何を求めてパンを売るのか?を知らない。また考えていない。教えられていない。わからない。では職人の人生すら無駄にします。伝統工芸につく職人は別として、ほとんどの一般的職人と言われる社会では年齢と共に生産性が衰え、所得も並行に下落し、もともと所得額が低いにも関わらず、将来に不安を抱き生活し、挙句の果てにその職人の技術を捨て、職を転々とするなどがほとんどであります。
しかるに私たちが言いたいことは、職人は勤めていてもサラリーマンにはなるな、またサラリーマンにはなれないことを知れと言うことであります。
なぜなら、本来職人は手に職を持ち、食うには困らない社会的地位の高いものでなければなりません。すなわち、食うに困らないとは、本来経営も出来て当たり前の能力を身につけていなくてはならないのです。
パンを焼き、お客様の日々の食生活に貢献し、自身と自身の会社の繁栄を願うというのが、基本社員の場合の精神は以上だが、職人はお客様に喜んで頂いた自身の貢献度収支を毎日、毎月必ず図れと言うことである。そのことにより、会社の職人技術者としても年々経営管理職として所得向上が見込まれ、また自身の独立も叶う、食うに困らない者になるのです。
パン屋さんに関わらず、すごく繁盛し、すごく儲ける者と余り繁盛しない儲けられない者の違いは何か?
よくある話が立地条件、坪効率、商圏環境、様々ですが、仮に同一立地に3店舗を連ねて建てたとしましょう。店構え、駐車場台数、商品構成、人員数すべて同じで店をOPENさせ1ヶ月が経過した場合、同じ売上にはならないはずです。
仮に3ヶ店のうち(A)店が一番の売上で、(B)店が二番、(C)店が三番となったとしましょう。 当然、すべて同一条件ですが、競争原理は働きます。しかし、具体的にこの差の中身はなんでしょうか?
それは、「固定客様意識」につきるのです。上記、仮の(A)店職人オーナーはおそらく(B)・(C)職人オーナーより、製造中でも来店のお客様に大きい声で「いらっしゃいませ。」と笑顔で対応するでしょう。また、以下スタッフも責任者の気迫に影響され、店全体に活気が満ちあふれて、お客様に好感を特別に得られたはずです。
たったのそれだけかと思うかもしれませんが、固定客化は本来ビジネス心の根幹です。
お客様にお店に来て頂いて、職人オーナー以下スタッフが生活をさせて頂けるわけですから、ビジネス心の基本、固定客化の根幹は、「感謝の心」でしかないのです。
しかし、現在はパン屋だけに関わらず、責任者にその意識がない、自身の投資を持ってしても尚且つ意識なく、パン作りのみに没頭し、自分では一生懸命やったのに廃業倒産し、借金だけ残るもの。いったい何に対して一生懸命の「心」を使ったのか?
改めて、「何の為にパンをつくるのか?」「何を求めてパンを売るのか?」である。
食うに困らぬ職人とは「感謝の心」を完成させた者でなければなりません。
パン職人の技術がない人の場合、どれ位の期間が掛かりますかの問い合わせが多いですが、人それぞれ、器用、不器用は必ず個人差があります。
ただし、上記に触れた職人は食うに困らない者です。パン作りに比重が多い職人から始まる場合、パンを売る力比重が多い職人から始まる場合など、まず己を知ることであります。 ゼロから始める者は、はじめから経営職人の基本「使われ上手は使い上手」の心を理解しなければなりません。それを知ることで職人技術取得は早くも遅くもなります。
メンタル的説明はおき、当社指導の例職人オーナーの場合、現在3ヶ店を経営する者で、1ヶ店を経営するまでに1年2ヶ月のものが最短の実績。遅いもので、2年位、ちなみに早く挫折するものは、1ヶ月も持ちません。
私たちはゼロからの人も職人オーナー(3ヶ店経営)まで導いてきた実績がありますが、本人の努力が90%であります。強い可能性のある人格を、少しお手伝いしているに過ぎません。
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